先日は、養育費の不払いに悩める人への福音:養育費を1年間保証して立替払いしてくれる保証会社があるらしい、ということを取上げたが、今度は、弁護士の支援の元、子供の養育費と面会交流のやりとりをWEB上で完結させるサービスがスタートするようだ。以下、報道内容を確認してみる。

 

子供の養育費と面会日 弁護士がネットで仲介

 

離婚した夫婦を仲介し、子供の養育費や面会の取り決めを支援するネットサービス「Paren2(ペアレンツ)」が開発された。弁護士が企画・監修しており、人材事業の「リーガルフロンティア21」(東京都千代田区)が運営する。α(テスト)版の参加者を募集中(定員20人)で、正式版は8月スタートを予定している。

(中略)

具体的には、(1)養育費と面会の取り決め(2)取り決めた内容の証明書発行(3)養育費の決済。毎月の養育費を一方の親から受け取り、子供と暮らす親の指定口座に振り込む。振り込みを忘れたら催促する(4)面会のスケジューリング--を提供していく。弁護士とのやり取りは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのLINEやフェイスブックのチャットサービスを活用するので、いずれかのアカウントが必要になる。

企画した大江哲平弁護士は「このサービスで、母子家庭の貧困問題と、離婚による片方の親との断絶問題に取り組みたい」と話している。正式版の利用料は月額980円を予定する。【高橋望】

 

出典:毎日新聞2018/3/6 21時44分

 




【今回のサービスで注目すべきは面会交流をサポートするという点】

 

報道を見る限り、今回のケースでは、養育費の未払い金(受取側から見れば不払い)に対する保証をするものではないようである。ただ、今回のサービスが画期的だと言えるのは、SNSを活用して面会交流の日取り等の細かなやり取りが出来る、という点ではないだろうか。先日の報道されたサービスはどちらかと言うと、金銭面での保証に重きを置いているのに対して、今回提供されるサービスは面会交流や、養育費も含めた「取り決め」をサポートする点である。いずれにせよ、母子家庭、父子家庭の貧困問題や、面会交流の取決めが守られず、それを解消する手段(民事訴訟に訴えるという手はあるが、簡単ではない。)が必ずしも機能しているとは言えない状況下、こうしたサービスが登場してきたことは注目に値する。以下の報道にあるように、日本の場合は単独親権が認められず、要は勝手にやってくれという制度であるため、両親が離婚する時には子供は蚊帳の外におかれるということである。面会というと、どちらかの元々もの父親か母親の権利と思っている人は多いのかもしれないが、面会をする権利があるのは実は親ではなくてその子供自身である。子はどの家庭に生まれるかを、選ぶことも出来ない。離婚をするのは、子供から見れば、親の都合である。会いたいのに会えないとすれば大問題である。勿論、DVで別れたケースについてどうするか、という問題があるが、これについても当然制度面の構築を考えていく必要があるだろう。本件については、是非、以下の参考資料を確認して頂きたい。

 

参考:面会交流調停 裁判所のサイト

「子ども最優先に 離婚後の面会交流」(時論公論)NHK 2017年05月04日 (木)

  (一部引用)

面会交流をめぐる夫婦間の争いは日常的に起きています。1万2264件。これは子どもと別れて暮らしている親が1年間に全国の家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てた件数です。10年前の2.4倍に増えていて、父親からの申し立てが急増しています。

 

その背景には男性の育児参加の広がりがあります。子育てに積極的に関わる父親が多くなり、妻と別れても子どもとの面会交流は続けたいと思う男性が増えているのです。その一方で、配偶者から暴力を受けるDV、ドメスティックバイオレンスの被害を訴えて、離婚や別居をする女性も増えています。このため、男性の側が「自分は暴力をふるった覚えはない。だから子どもに会わせてほしい」と申し出ても、女性の側はDVの被害を受けたことを理由に「夫と関わりたくない。子どもも合わせたくない」と言って応じない。対立が広がる中で、母親が子どもを連れて家を出て所在がわからなくなったり、父親が母親の元にいる子どもを無断で連れ戻したりするトラブルが相次ぎ、その結果、板ばさみとなって苦しむ子どもが増えています。ここで考えなければならないのは、日本では法律や制度の整備の遅れが問題を深刻化させているということです。ここで考えなければならないのは、日本では法律や制度の整備の遅れが問題を深刻化させているということです。欧米では離婚しても双方の親に親権を認める「共同親権」が主流です。そして、離婚は面会交流の方法や養育費の分担などを取り決めたうえで裁判所が決定する仕組みになっています。これに対し、日本は、かつては欧米でも主流だった「単独親権」をとり続けていて、離婚すると片方の親の親権が無くなることが民法で定められています。また、夫婦の話し合いだけで離婚できる「協議離婚」の制度があり、離婚の9割を占めています。このため日本では面会交流の取り決めをしないまま離婚するケースが多く、また、親権を持つ親が子どもを会わせない場合もあることから、離婚が成立した後で子どもを奪い合う争いが起きているのです。

(以下省略)

 

 

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